AGAとは「男性型脱毛症」の別名のことです。成人男性の中には抜け毛や薄毛といった症状に頭を抱えており「その原因や改善方法について知りたい」という人は多いでしょう。実は、AGAを治療することは可能なのです。この記事では、AGAの原因や治療方法、予防方法などについてまとめてみたいと思います。
この記事を参考にすることで、どのようにAGAと向き合えばいいかがわかるでしょう。
01. AGAとはどんな病気?
まずは、AGAの基礎知識を説明します。主な症状や原因にはどのようなものがあるのでしょうか?
1-1.抜け毛や薄毛がゆっくりと進行
AGAは、抜け毛や薄毛がゆっくりと進行していく病気です。皮膚の中で毛髪を作る「毛包」と呼ばれる器官が十分に成長せず、髪が太く育つ前に抜けてしまいます。何もせずに放っておくと髪の毛の数はどんどん減少。少しずつ地肌が透けて目立つようになります。
1-2.脱毛パターンはさまざま
AGAによる脱毛パターンは人によって異なります。額から抜け毛が進行する、頭頂部から進行する、その両方から徐々に進行するなど、さまざまです。
1-3.原因は「生え変わりのサイクル」にある!
誰しも髪の毛は抜けるものです。そのこと自体には何の異常もありません。問題は「生え変わりのサイクル」にあるのです。正常の状態であれば、髪の毛は一定のサイクルで抜け、再び同じ毛根から新しい髪が生えてきます。この毛周期が機能していれば薄毛になることはないのです。
AGAの場合は、男性ホルモンなどの影響で生え変わるサイクルに乱れが生じます。髪の毛が抜けた後、うぶ毛が育つ前に、早いサイクルでまた抜けてしまうのです。正常な髪の生え変わりを邪魔しているのが「DHT」と呼ばれる男性ホルモン。この働きをブロックできれば、残ったうぶ毛が育つ可能性があります。
1-4.AGAになりやすいのはこんな人!
「AGAは遺伝によるもの」とも言われています。しかし、遺伝だけが原因ではないことが分かっており、家族に薄毛の人がいなくても安心はできないのです。
1-4-1.ストレスを抱えやすい人
日々の生活でストレスを抱えやすい人は要注意です。ストレスによって血管が収縮すると、血液の流れが悪くなります。その結果、毛根まで十分な栄養が行き渡らなくなってしまうのです。
1-4-2.生活習慣が乱れている人
過剰なアルコール摂取や喫煙、乱れた食生活や睡眠不足は、血行の流れを乱す原因です。ストレスと同様に、毛根に栄養が行き渡らなくなり、薄毛や抜け毛を引き起こしてしまいます。
1-4-3.運動不足の人
運動不足だと血液がドロドロになりやすく、体に脂肪分がたまりがちです。血液の循環が悪くなり、毛根まで栄養を届けることができなくなってしまいます。
1-5.患者数は全国で約1260万人
AGAの患者数は、全国で約1260万人と言われています。そのうち「AGAではないか」と気にかけている人は約800万人、何らかのケアを行ったことがある人は約650万人ということです。近年はAGA治療の専門病院が増えてきていることから、自覚する患者数も急増しています。
02. AGAのチェック方法
もちろん、すべての薄毛や抜け毛がAGAというわけではありません。「自分はAGAなのか」を知るためにも、チェック方法を知っておきましょう。
2-1.セルフチェックしてみよう!
まずは、以下の項目でいくつ当てはまるものがあるか確認してみてください。
- 父、父方の祖父母いずれかに薄毛の人がいる。
- 母、母方の祖父母いずれかに薄毛の人がいる。
- 以前に比べて抜け毛が増えた。
- 髪が細くなり、以前よりもハリがなくなった。
- 思春期以降から髪の毛が薄くなった。
- 徐々に薄毛が進行し始めている。
- 額の生え際から徐々に髪の毛が後退してきた。
- 頭頂部の髪の毛から薄くなり始めた。
- 額の生え際と頭頂部の両方から薄くなり始めた。
すべての項目が当てはまらない場合、AGAの兆候はまったくないと言ってよいでしょう。当てはまる項目の数が多いほど、AGAの確率は高くなります。AGAは、対策が早ければ早いほど効果的です。速やかに病院で診断と治療を受けることをおすすめします。
2-2.ほかの病気も考えられる?
AGAと同様の症状であっても、ほかの病気である可能性は十分にあります。考えられるほかの病気にはどのようなものがあるのでしょうか。
2-2-1.円形脱毛症
円形脱毛症は、突然脱毛斑ができる病気です。AGAとの違いは以下のとおり。
- 脱毛斑の部分がくっきりしていること。
- 側頭部や行動部の毛も抜けること。
- 髪だけでなく眉毛や体毛が抜けることもある。
- 自然に治癒することもある。
2-2-2.脂漏性脱毛症
脂漏性脱毛症は、ホルモンバランスの異常などが原因で起こります。見ただけで分かるくらい頭皮に皮脂がたまるのが特徴です。かゆみやベタつきといった明らかな症状があるため、AGAと迷うことは少ないでしょう。
2-2-3.薬物性脱毛症
薬の影響で髪の毛が抜けることもあります。最も有名なのが、抗ガン剤によるものでしょう。それ以外にも、リウマチやてんかん・痛風の治療薬で脱毛が起こることがあります。薬の影響かどうかを知るには、薬をやめることで脱毛がなくなるかを調べることです。薬をやめて脱毛が止まれば、薬物性脱毛症と判断できます。ただし、自己判断で薬をやめるのは治療に影響が出るため注意してください。
2-2-4.感染症
何らかの感染症が原因で髪の毛が抜けることも少なくありません。たとえば、真菌や梅毒・白癬などの感染症では、脱毛を引き起こすことが多いでしょう。こういったケースでは、AGAのように徐々に生え際が後退するのではなく、不規則に脱毛が起こります。
03. AGAが及ぼす影響について
AGAは、私たちの日常生活にどのような影響を及ぼすのでしょうか。そして、治療や対策をせずに放置しておくとどうなっていくのか、気になりますよね。
3-1.さらなるストレスの原因になる
抜け毛や薄毛は、誰にとってもストレスになります。AGAは早い人なら20歳代から症状が出始める病気です。若いうちから頭髪の悩みを持つことは、大きなストレスになるでしょう。前述したとおり、ストレスはAGAにとっても大敵です。抜け毛や薄毛によってストレスを感じることが、AGAのさらなる進行にもつながってしまうことになるでしょう。まさに、悪循環ということです。
3-2.放置するとどうなる?
AGAは進行性の脱毛症なので、放置しているとどんどん悪化していきます。特に、毛根内の毛母細胞が寿命を迎えると、どんな処置をしても髪の毛が生えてくることはありません。AGAの治療にはある程度の期限がされています。その理由は、以下のとおりです。
- 年齢を重ねると毛根が死滅して毛母細胞が細胞分裂しなくなる。
- 症状が進行するほど治療法が限定されて高額な費用がかかる。
- 年齢が若いほど発毛力が高い。
このような理由から、できるだけ早めの年齢から対策を行った方がよいと考えられているのです。
04. AGAの治療方法とは?
AGAの治療方法にはどのようなものがあるのでしょうか。診断方法や薬の種類、漢方やサプリメントなどをご紹介します。
4-1.どうやって診断するの?
自宅でできる遺伝子検査キットもありますが、自分で確実に判断するのは難しいでしょう。
やはりAGAの診断は、専門の医師にしてもらうのが一番です。費用はかかりますが、診断結果に基づいた治療をそのまま行ってもらえるのも大きなメリットでしょう。AGAの可能性が疑われる場合、まずはほかの病気でないことを確認する「除外診断」を行うことになります。AGAとそのほかの脱毛症は原因や治療法がまったく異なるため、この診断はとても重要です。ほかの脱毛症でないことが分かったら、頭皮や脱毛の様子を視診して、AGAの特徴に該当しているか最終判断します。続いて血液検査を行い、今後使う治療薬が体にどのような影響を与えるか確認することになるでしょう。
4-2.治療方法は一つじゃない!
AGA治療の種類は大きく分けて2種類あります。
4-2-1.発毛や育毛を促す治療薬を使う方法
一つ目の治療法は、発毛や育毛を促す治療薬を服用、または外用薬を頭皮に塗布する方法です。代表的な治療薬には「プロペシア」という内服薬と「ミノキシジル」という外用薬があります。
4-2-2.施術を伴う方法
もう一つは、施術を伴う治療法です。AGA治療薬や、髪の成長を促す「成長因子」と呼ばれる栄養分を頭皮に直接注入する「メソセラピー療法」があります。ほかにも、まだ髪の毛がある部分から毛根ごと皮膚を採取し、毛根のない部分に移植する「自毛移植」という方法も。自分の細胞を移植するため、皮膚トラブルがほとんどないのが特徴です。
4-3.薬の種類と副作用は?
AGA治療として主に使用される「プロペシア」と「ミノキシジル」という薬について調べてみたいと思います。プロペシアは世界60か国以上で認められたAGA治療薬であり、脱毛を促す男性ホルモンの生成を防止する働きがあるのです。販売当初から「日本で唯一の飲むAGA治療薬」として注目を集めてきました。副作用としては、一時的に抜け毛が増えるという点が挙げられます。この現象は「初期脱毛」と呼ばれ、最初のうちだけの脱毛であるため心配ないでしょう。
ほかの副作用としては、性欲減退・肝機能障害・胃の不快感による食欲不振などが挙げられます。一方のミノキシジルは、もともと高血圧患者向けの血管拡張剤として開発された医薬品です。血行促進効果とともに毛母細胞を活性化する効果も認められています。副作用は、血圧が低下する・頭皮のかゆみや湿疹の発生・頭痛・手足のしびれなどです。
4-4.注目の漢方やサプリメント
AGA治療の一つとして、漢方やサプリメントを取り入れる場合もあります。漢方やサプリメントでAGAを治すことは、果たして可能なのでしょうか。
4-4-1.血行を促進する効果の高い漢方
漢方の考え方で見ると、AGAを治すことは可能だと言われています。ただし、個人差はあるでしょう。漢方での薄毛に対する考え方は以下のとおりです。
- 血行が悪く、髪に栄養が行き渡っていない
- 湿気が多く、頭皮に脂が多くある
- 身体の老化がすすんでいるため、ホルモンバランスが崩れている
以上のうち、自分の薄毛がどこに当てはまるかによって、服用するべき漢方は異なります。AGA対策としておすすめ漢方薬は「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」や「十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)」などです。
4-4-2.男性ホルモンの状況を改善するサプリメント
AGA対策のサプリメントには、育毛に特化した天然由来成分が含まれています。そのため、飲み続けることで薄毛や抜け毛対策として期待できるでしょう。AGAの原因となる男性ホルモンを抑制する「イソフラボン」や「カプサイシン」「ノコギリヤシ」などが配合されているサプリメントをチェックしてみてください。
05. AGAにならないために!
薄毛の人が家族にいる場合、少しずつ薄毛や抜け毛が気になってきた場合は、AGAの予防方法についても知っておくべきでしょう。
5-1.気を付けたい生活習慣
毎日の生活習慣で気を付けたいことをいくつかご紹介します。
5-1-1.ホルモンバランスを整える
ホルモンバランスの調整をするには、ホルモン剤を使用する以外にも方法があります。たとえば、大豆製品やタンパク質を中心に、バランスのよい食事を心がけるようにしましょう。大豆製品には、女性ホルモンと似た役割があるのです。
5-1-2.ストレスを解消する
人は、リラックスすることで副交感神経が活発になります。緊張状態が解けて血行促進にもつながるでしょう。普段からストレスをためやすい人は、できるだけリラックスできる時間を作るようにしてください。
5-1-3.食生活を見直す
不規則な食生活はAGAのリスクを高める原因になります。特に、タンパク質やビタミンA・ビタミンC・ビタミンE・ミネラルをバランスよく含む食事を心がけ、普段から抜け毛対策をしておきましょう。
5-2.AGAのときに「やってはいけないこと」は?
では、AGAの抜け毛・薄毛対策として「やってはいけないこと」にはどのようなものがあるのでしょうか?
5-2-1.「ブラシで頭を叩く」はNG!
以前は、ブラシで頭皮を叩くことで血行がよくなり、薄毛改善に効果があると言われていました。確かに、頭皮マッサージは薄毛対策に有効です。適度なマッサージであれば血流がよくなり、頭皮に栄養が行き渡るようになるでしょう。しかし、頭皮を叩くことで毛根細胞が死んでしまう危険があります。毛根が死んでしまうと、当然毛は生えてきません。マッサージをする場合は、強すぎない力で適度な回数を心がけて行うことが大切です。
5-2-2.「洗いすぎ」「付けすぎ」「拭きすぎ」には要注意!
髪や頭皮の汚れをしっかりと落とそうと思い、指に力をこめて洗ってしまう人も多いでしょう。この方法だと髪の毛の摩擦が増えて傷んでしまい、余計に抜けやすい状態になるだけです。また、シャンプーの付けすぎは洗い残しのリスクが高まるため、注意してください。髪の毛を拭く時も、優しく丁寧に行うことが大切です。
06. AGAの治療を行っている病院の紹介
AGAの治療を行っている病院をご紹介します。
銀座総合美容クリニック
治療医院は東京にしかありませんが、知名度・人気・実績いずれも非常に高く、全国各地から患者さんが訪れるクリニックとなっています。育毛メソセラピー治療を2万円以下で受けることができるリーズナブルな面も人気の理由です。
AGAスキンクリニック
全国35か所に治療医院があるため、通院に便利です。発毛実感率99%以上という効果の高い薄毛治療をぜひお試しください。
ヘアメディカル
16年という薄毛治療実績を誇るクリニックです。毎月15000人以上の患者さんが足を運んでいます。
07. AGA・脱毛対策商品の紹介
AGAに悩む人たちのために、脱毛対策商品をご紹介します。
プレミアムブラックシャンプー
抜け毛や薄毛に悩む男性のために開発されたシャンプーです。頭皮環境を正常に整える効果があります。うるおいを残しながら洗浄すると同時に、頭皮にたっぷりと栄養補給することを実現しています。
バイタリズム スカルプケアトニック
スッキリと爽やかな刺激が心地よいトニックです。頭皮に直接スプレーし、軽くマッサージして血行を促進します。有効成分が髪と頭皮環境をサポートしてくれるでしょう。
薬用ポリピュアEX
新しい有効成分を追加し、より発毛を意識した育毛剤として注目を集めている製品です。頭皮への浸透性に優れており、多くの人が効果を実感しています。
08. AGA・脱毛の関連書籍紹介
AGAや脱毛に関する書籍をご紹介します。
間違いだらけの薄毛対策
99%以上の患者が満足した薄毛治療の「新常識」を紹介しています。AGA治療の医師が、自身の薄毛を克服した経験を赤裸々に記した1冊です。
専門医が語る毛髪科学最前線
研究の最前線にいる専門医が、抜け毛・薄毛のメカニズムを解説しながら、最新の治療法を紹介しています。AGAにはどのような治療法があり、どの程度の治療効果が得られるのか知ってください!
20歳若く見える頭髪アンチ・エイジング
毛髪ケアのために必要な、正しいヘアチェック・シャンプー・スカルプケア・マッサージ・育毛剤の使い方を伝授!写真やイラストを豊富に使っているため、読みやすい1冊となっています。
09. AGA治療体験ブログの紹介
AGA治療を実際に体験した人たちのブログをご紹介します。
若ハゲ番長のAGA治療体験記
24歳という若さでAGAになってしまった「若ハゲ番長」の治療経過をつづっています。治療の過程を写真付きで紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
AGA治療体験ブログ日記-効果は未知数!-
「気がついたら薄毛になっていた」という「薄毛おやじ」さんのブログです。AGA治療の費用や副作用まで、詳しくつづっています。
40歳からのAGA克服日記
20代後半から薄毛に気づき始めた管理人が、約10年にわたるAGA治療の様子をつづっています。家族や親せきに薄毛の人がいない状況で、どのように薄毛を受け入れたのか・・・?
10. AGAに関するよくある質問
AGA治療を検討している人が疑問に思うことにはどのようなものがあるのでしょうか。よくある質問をまとめてみました。
Q.AGAの治療期間はどのくらいですか?
医療機関にもよりますが、約6か月が目安となっています。その理由は、プロペシアとミノキシジルのどちらも、効果が現れるまで約6か月間の継続が必要であるためです。その後は、状態を維持するための治療に入ります。
Q.治療費はどのくらいかかりますか?
AGA治療は自由診療となるため、全額自己負担です。一般的な相場としては、初診料と検査で合計2~3万円、その後は治療薬代を含めて毎月7,000~30,000円かかります。
Q.治療は何歳から受けることができますか?
通常、成人男性であれば年齢は関係ありません。AGAの不安を感じた場合は、早期に診察を受けるのがおすすめです。
まとめ
いかがでしたか? AGAは中年男性特有のものだと思っている人が多いでしょう。しかし、年々若年化がすすみ、20代でも抜け毛や薄毛の悩みに頭を抱えている人はたくさんいます。AGAの原因や治療法を知り、まずは自覚することから始めてください。そして、早いうちにAGAに対する対策を考えていきましょう。