急性鼻炎の症状にお悩みではありませんか? 鼻水や鼻づまり、くしゃみなど、突然の鼻の症状に悩まされた場合、まず疑うのは風邪や花粉症でしょう。急性鼻炎とは、主に風邪ウイルスが原因となって起こる、鼻の急性炎症のことです。副鼻腔炎などを引き起こす場合もあるため、しっかりと経過を観察しておく必要があるでしょう。
この記事では、急性鼻炎が起こる原因や症状・対処法・予防法などをまとめてご紹介します。
この記事を読むことで、急性鼻炎について詳しく分かるはずです。ぜひ参考にしてください。
1.急性鼻炎の基礎知識
まずは、急性鼻炎の症状や原因、放置したときの影響などをご紹介します。
1-1.急性鼻炎とは?
急性鼻炎とは、鼻腔(びくう)粘膜が急な炎症を起こす病気です。鼻の中は外鼻(がいび)・鼻腔(びくう)・副鼻腔(ふくびくう)の3つの部分に分かれており、奥のほうは湿った粘膜でおおわれています。この粘膜部分に急性の炎症が起こることを急性鼻炎といい、さまざまな鼻の症状が起こる原因になるのです。
1-2.主な症状
急性鼻炎の主な症状には、以下のようなものがあります。
- 鼻の乾燥や違和感
- 鼻水
- 鼻づまり
- くしゃみ
- 発熱
1-3.主な原因
急性鼻炎の主な原因は、ウイルス感染です。特に、RSウイルスやインフルエンザウイルス・アデノウイルスなどによって起こることが多いでしょう。そのほかにも、ほこりやPM2.5、黄砂などを吸い込んだことで起こる場合もあります。
1-4.なりやすい人・患者数
急性鼻炎の患者数は、年々増加傾向にあります。食生活や生活習慣の乱れによって抵抗力が落ちている人が増えていること、原因物質となるハウスダストやPM2.5などの影響が大きくなってきていることなどが原因でしょう。睡眠不足や運動不足などが原因で抵抗力が落ちている人は、特に急性鼻炎を起こしやすいため注意が必要です。
1-5.放置するとどうなるのか?
急性鼻炎を放置すると、急性副鼻腔(ふくびくう)炎を引き起こしてしまう可能性があります。症状が風邪と似ているため放置してしまう人も多いのですが、そのままにしておくと慢性副鼻腔(ふくびくう)炎に移行することもあるため、注意が必要です。慢性副鼻腔(ふくびくう)炎になると、常に鼻がつまった状態になり、頭痛やだるさ・嗅覚障害などの症状が出るようになります。長期にわたる治療が必要になる場合もあるため、急性鼻炎を放置せず早期に治すことが大切です。
1-6.慢性鼻炎・アレルギー性鼻炎との違い
急性鼻炎によく似た病気に、慢性鼻炎やアレルギー性鼻炎などがあります。慢性鼻炎とは、急性鼻炎の症状が慢性化した状態のことです。症状が2~3か月以上経過しても改善されない場合は、慢性鼻炎に移行していると考えられるでしょう。また、アレルギー性鼻炎は花粉やハウスダストが原因で起こる鼻炎です。血液検査を受けることで、何が原因で炎症が起きているのか調べることができます。
2.急性鼻炎チェックリスト
急性鼻炎を起こしていないか、以下の項目で当てはまるものがあるかチェックしてみてください。当てはまる項目が多いほど、急性鼻炎の可能性があります。
- 水っぽい鼻水から粘り気のある鼻水に変化した
- くしゃみが出る
- 鼻がつまっている
- のどが乾燥している
- 鼻の粘膜が痛い
- 鼻の中が乾燥してヒリヒリする
- 頭痛がする
- 微熱がある
3.急性鼻炎の治療方法
急性鼻炎の治療法や薬についてご紹介します。
3-1.急性鼻炎は治るのか?
急性鼻炎の多くは10日ほどで自然治癒します。しかし、途中で細菌の二次感染を起こした場合などは、急性中耳炎や副鼻腔(びくう)炎を起こすこともあるため、注意が必要です。10日以上経過しても症状が改善されない場合、悪化していると感じる場合などは、病院の受診をおすすめします。
3-2.病院での治療について
急性鼻炎の病院での治療法には、主に薬物治療とネブライザー治療があります。ウイルス感染が原因の急性鼻炎に対しては、対症療法として鼻の炎症を抑える薬が処方されることになるでしょう。細菌感染を起こしていることが考えられる場合は、抗生物質が処方されます。また、鼻づまりがひどい場合は、ネブライザーと呼ばれる吸入器を使って鼻水を出しやすくする治療が行われるでしょう。
3-3.薬について
急性鼻炎の場合は、鼻の症状を和らげるために、抗ヒスタミン作用や抗コリン作用のある薬が処方されます。特に鼻づまりがひどいときは、ナファゾリン塩酸塩やオキシメタゾリン塩酸塩の点鼻薬、プソイドエフェドリンの内服薬などがすすめられるでしょう。鼻腔(びくう)を広げて鼻のとおりをよくする効果があります。こうした薬は薬局でも処方せんなしで購入できるため、症状が軽いようであればまずは市販薬を試してみてもよいでしょう。
3-4.病院を受診すべき症状とは?
以下のような場合は、病院を受診すべきでしょう。
- 症状が10日以上続いている
- 症状が悪化してきている
- ひどい頭痛や発熱がある
- 顔面痛やほおの圧迫感がある
- においが分からない状態が続いている
3-5.子どもの場合
子どもの急性鼻炎は、咽頭炎や扁桃炎・気管支炎・急性中耳炎などを併発することが多いため、できるだけ早めに病院での治療を受けることをおすすめします。抗コリン薬点鼻薬の処方やネブライザー治療などが行われ、二次感染を予防するために抗生物質が処方される場合もあるでしょう。
4.急性鼻炎の対処法と注意点
急性鼻炎になってしまったときの対処法や注意点をまとめました。
4-1.自宅でのケアについて
急性鼻炎になったときは、自宅でのケアも重要です。基本は「安静」と「保湿」なので、できるだけ横になり、体を休めてください。加湿器などを使って部屋を十分に加湿し、のどの粘膜が乾燥しないようにマスクを着用するとよいでしょう。喫煙は避けるようにしてください。抵抗力を高めるためにしっかりと睡眠をとり、栄養バランスのよい食事を心がけましょう。
4-2.湿度などの環境にも注意
室内が乾燥していると鼻やのどの症状が悪化するため、湿度管理には特に注意しなければなりません。理想は湿度が50%、室温が20~25℃になるように保つことです。特に小さな子どもが急性鼻炎になったときは、鼻づまりから呼吸しづらくなってしまうこともあります。十分な加湿に努めてください。
4-3.鼻のかみ方
急性鼻炎のときは、鼻のかみ方にも注意が必要です。まず、鼻水が出てもすすらないように気をつけましょう。副鼻腔(ふくびくう)内に残っている鼻水が耳の器官まで逆流し、中耳炎を起こしてしまう可能性があります。鼻をかむときは下を向き、口を閉じて行いましょう。片方の鼻を押さえて、力を入れすぎないようにしてかんでください。
5.急性鼻炎の予防法
普段から急性鼻炎にならないように、予防のポイントをご紹介します。
5-1.予防はできるのか?
急性鼻炎は主にウイルス感染が原因で起こるため、ウイルスを寄せつけないようにすることで予防することは可能です。できるだけ人ごみに行かない、外出の際はマスクを着用するなど、予防に努めましょう。また、ほこりが原因になることもあるため、寝具やカーペットなどの清掃をこまめに行うことで予防につながります。
5-2.気をつけたい生活習慣
生活習慣の中にも、急性鼻炎を予防できるポイントはたくさんあります。まず、ストレスをためずに規則正しい生活習慣を心がけること、適度な運動をして体力をつけることが非常に大切です。あとは、暖かい服装を心がける、栄養バランスのよい食事をとって免疫力を上げるなど、一般的な風邪対策と同様になります。
5-3.やってはいけないこと
急性鼻炎の予防や症状の緩和のために、やってはいけないこともあります。以下のことについては十分注意してください。
- タバコはできるだけ吸わない
- 体や冷やさない
- 鼻水を強くすすらない
6.急性鼻炎に関するよくある質問
「急性鼻炎について知りたい」という人が感じる疑問とその回答をまとめました。
Q.急性鼻炎は人にうつるのですか?
A.急性鼻炎の咳(せき)や鼻水で人に感染することはありません。ただし、原因となった細菌やウイルスが他人に感染する可能性はあるでしょう。
Q.急性鼻炎と診断された場合、幼稚園や学校には行けますか?
A.急性鼻炎そのものが他人に感染することはないため、症状が落ち着いていれば登園・登校は可能です。
Q.急性鼻炎のとき、入浴や飲酒は問題ありませんか?
A.鼻のとおりがよくなるため、熱がなければ入浴することが望ましいでしょう。シャワーで済まさず、湯船につかるようにしてください。また、飲酒は控えることが大切です。アルコールの成分が鼻内部の血管を拡張させ、症状が悪化してしまいます。
Q.なぜ運動をすると急性鼻炎を予防できるのですか?
A.適度な運動が自律神経を整え、免疫力のアップにつながります。体力もつくため、急性鼻炎にかかりにくくなるのです。
Q.急性鼻炎はどのような検査で診断されるのでしょうか?
A.ほとんどの場合は、鼻鏡検査の所見で診断可能になります。アレルギー性鼻炎と区別がつきにくいときは、鼻水の白血球を調べることもあるでしょう。
まとめ
急性鼻炎の症状や原因・治療法・予防法などをまとめてご紹介しました。急性鼻炎になる可能性は誰にでもあります。放っておくと長期に及ぶ治療が必要になる場合もあるため、何が原因で起こりやすいのか、かかってしまったときはどうすればよいのか、ぜひこの記事を参考にして知っておいてください。