パニック障害

パニック障害を克服しよう!
症状や原因・治療法を徹底解説!

パニック障害に悩んでいる。パニック障害を治したい。そんな不安な気持ち、よく分かります。パニック障害は不安障害の一つで、心や性格に原因のある病気ではありません。しかし、治療には長い年月が必要になるため、周囲の理解が必要不可欠です。そこで、この記事では、そんなパニック障害の原因や症状・治療方法などを解説します。

この記事を参考にして、パニック障害から抜け出しましょう。

01. パニック障害って?

パニック障害とはどのような病気なのでしょうか? その主な症状や原因・全国の患者数などを解説します。

1-1.突然生じる強いパニック発作

パニック障害は、思いがけないときに突然生じる動悸や息切れ・強い不安を伴う発作が特徴です。パニック発作はパニック障害の中心となる症状であり、突然さまざまな体の症状が繰り返し現れます。あまりに強い発作のため「このまま死んでしまうのではないか」と不安になることも多いでしょう。しかし、実際にはパニック発作で死ぬことはありません。10分程度で激しい症状は治まります。パニック発作の具体的な症状は以下のとおりです。

  • 動悸・心拍数の増加。
  • 息切れや息苦しさ。
  • 胸の痛みや不安感。
  • 吐き気やおなかのあたりの不快感。
  • 発汗・体の震え。
  • めまいやふらつき。
  • 感情のコントロールを失う。
  • 「このまま死んでしまうのではないか」という恐れ。

1-2.パニック発作に対する「予期不安」

予期不安とは、パニック発作が生じることに対する不安のことを言います。パニック発作を繰り返しているうちに「また発作が起きるのではないか」という強い不安をいつも感じるようになるのです。予期不安は毎日の生活の大きな妨げになります。

1-3.「広場恐怖」や「回避行動」も

パニック障害になると「広場恐怖」や「回避行動」が現れます。広場恐怖とは「パニック発作が生じる状況」に対する恐怖感です。パニック発作を経験すると、以前に発作を経験した状況が怖くなってしまい、その状況を避けるようになります。これが「回避行動」です。回避行動が原因で生活の行動範囲が狭くなり、毎日の生活が妨げられてしまいます。

1-4.原因は神経系の機能異常?

パニック障害の原因は今のところはっきりしていません。しかし、今までの研究から、脳の不安にかんする神経系の機能異常に関連していることが明らかになっています。実際にパニック障害を起こしている人の脳の動きを調べたところ、三つの部分に通常とは違った変化が起こっていたのです。それぞれが持つ機能に応じて、パニック発作や予期不安・広場恐怖などの症状が現れていると考えられています。

1-5.パニック障害になりやすい性格とは

パニック障害には、傾向として「なりやすい性格」というものがいくつか挙げられます。

  • 自分の気持ちを我慢してしまう。
  • 完璧主義。
  • 生真面目。
  • 素直で従順。
  • ものごとをマイナスに考えてしまう。
  • 不安や脅迫概念が強い。

以上に当てはまる人はパニック障害になりやすいため、普段から注意が必要です。

1-6.100人に2人がパニック障害に?

パニック障害の生涯有病率は2%程度です。100人に2人は一生のうち1回はパニック障害にかかるという計算になります。しかし、日本でパニック障害についての認知が高くなったのはつい最近のこと。パニック発作を起こしても精神科を受診しない人も少なくありません。そのため、さらに多くの人がパニック障害を抱えていることが考えられています。

02. パニック障害を自分でチェックすることはできるの?

パニック障害は適切な治療で治すことが可能な病気です。しかし、自分がパニック障害かどうかわからない人も多いでしょう。そこで、パニック障害かどうかを自分でチェックする方法をご紹介します。

2-1.セルフチェックの方法

まずは、以下の項目でいくつ当てはまるものがあるかチェックしてみてください。

  • 心臓がドキドキしたり、脈拍が増加したりする。
  • 手のひらや全身に汗をかく。
  • 体や手足がふるえる。
  • 息切れ感や息苦しさを感じる。
  • 窒素感、または喉が詰まったような感じがする。
  • 胸の痛みや圧迫感・不快感がある。
  • 吐き気や腹部の不快感がある。
  • めまい・ふらつき、または気が遠くなるような感じがする。
  • 現実感が失われ、自分が自分ではない感覚が起こる。
  • 自分をコントロールできなくなる恐怖に襲われる。
  • 体の一部にしびれ感やうずきを感じる。
  • 冷たい感じやほてった間隔がある。
  • このままでは死んでしまうという恐怖を感じる。

上記の項目のうち、四つ以上当てはまる項目がある場合は、パニック障害の可能性があります。

2-2.似た病気はたくさんある!

パニック障害と似ている病気もたくさんあります。そのため、上記の症状が出ていてもほかの病気である可能性もあるのです。パニック障害と似ている病気には以下のようなものがあります。

  • 適応障害
  • 統合失調症
  • メニエール病
  • てんかん
  • 不整脈
  • ぜんそく
  • 心筋梗塞などの心臓病
  • 更年期障害
  • バセドウ病

03. パニック障害による日常生活への影響

パニック障害になると、日常生活にどのような影響を及ぼすことになるのでしょうか?放置したときの危険性とともに解説します。

3-1.さまざまなシーンで現れる症状

パニック障害になると、日常生活における多くのシーンで支障をきたすことになります。たとえば、特定の場所での著しい不安感がその一つ。病院のMRIや美容室の席・渋滞の車内などで錯乱状態に陥ることがあります。そのため、外出ができなくなることも多いでしょう。また、ひとたびパニックを起こしてしまうと、同じ場所に行くことに恐怖を感じるようになり、行動の範囲が狭くなるのも特徴です。このように、パニック障害は日常生活を送るうえで困難なことが多くなります。

3-2.放置するとうつ病やアルコール依存症に

パニック障害を治療せずに放置しておくと、うつ病やアルコール依存症を併発する可能性が高くなります。実際、パニック障害の患者さんのうち3~5割がうつ病を併発しているのです。そして、男性に多いのがアルコール依存症。発作の不安をアルコールで紛らわせてしまおうとして、過度に飲酒してしまうことが原因と考えられています。外出する前には必ずお酒を飲んでしまうという人も多いようです。うつ病やアルコール依存症を併発してしまうと、治療するのがさらに困難になります。そうなる前にパニック障害と向き合うことが大切です。

04. パニック障害の治療方法とは?

では、パニック障害はどのように治療するのでしょうか? 診断方法や薬の種類についてもご紹介します。

4-1.主に問診で診断する

パニック障害は、救急病院や内科などで検査をしても体には何も異常が見つかりません。そのため、原因がわからないまま放置されてしまうこともあります。しかし、決して放置せず、しっかりと診断を受けて正しい治療を受けることが大切です。パニック障害は精神科で治療する疾患となり、診断については、主に問診で得た情報をもとに診断基準と照らし合わせていくことになります。問診の内容は、パニック発作が起こったときの状況や精神状態・生活習慣・生活背景・性格や考え方・家族歴や既往歴などです。その結果が診断基準を満たしている場合は、パニック障害と診断されることになります。

4-2.薬物療法と精神療法を組み合わせた治療

パニック障害の治療は、薬物療法と精神療法を組み合わせたて行うことがほとんどです。

薬物療法とは、向精神薬という薬物を使って、脳や神経に直接働きかける治療法。SSRIという抗うつ薬や抗不安薬・β遮断薬などの薬を使って治療します。どの薬も一時的に副作用が現れる場合もあるため、使用の際は十分に注意が必要です。主な副作用としては、胃腸症状やふらつき・眠気などがあります。

一方の精神療法には、認知行動療法や自律訓練法などがあります。認知行動療法とは、認知のゆがみや偏りを修正する「認知療法」と行動することによって認識を改めていく「行動療法」の二つを組み合わせた治療方法です。自律訓練法とは、6津の公式と呼ばれる暗示をかけることで、リラックス状態を作り出すというもの。どちらの精神療法も病院で行っていますが、慣れてくれば自分で行うことも可能になります。

4-3.パニック障害には漢方も効く!

パニック障害などの精神疾患は、漢方による治療も有効です。薬の副作用を心配するあまり症状が悪化する可能性のある患者さんには、漢方による治療をおすすめしている病院もあります。使用する漢方薬は「香蘇散(こうそさん)」や「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」「柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」などです。ただし、漢方薬は患者さんの症状に合わせて処方されるため、自己判断せず医師に相談するようにしましょう。

05. パニック障害を予防するために知っておきたいこと

パニック障害になりやすい人は、普段からより注意して予防することが大切です。パニック障害の予防につながるポイントをいくつかご紹介しましょう。

5-1.カフェインを避ける

まずは、カフェインの摂取を避けることをおすすめします。コーヒーや緑茶・コーラなどの代わりに、ノンカフェインのコーヒーや紅茶・水を飲むようにしてください。カフェインは精神にさまざまな影響を与えます。主な症状は、落ち着きがなくなる・緊張感・感覚過敏・不安・焦燥感などです。

5-2.刺激になるものを摂取しない

興奮剤やアルコールなど、体の刺激になるものは使用しないことが原則です。特にアルコールを摂取すると、その影響が精神状態だけでなく全身に現れます。理性が低下してしまう恐れもあるため、少しでもパニック障害の症状がある人は摂取を控えるようにしましょう。

5-3.規則正しい生活と十分な睡眠

パニック障害の予防には、規則正しい生活と十分な睡眠が必要不可欠です。休日も平日と同じ時間帯に就寝・起床する習慣をつけ、できるだけ規則正しい生活を送るように心がけましょう。睡眠は少なくても6~8時間はとるようにしてください。

5-4.食生活を見直す

脂っこい食べものや肉類をとりすぎると体が疲れてしまいます。こうした食べ物のとりすぎに注意し、ビタミンが豊富な野菜や果物を積極的に食べるようにしましょう。健康的な食生活は、パニック障害の予防につながります。

06. パニック障害の治療を行っている病院の紹介

パニック障害の治療を行っている病院をいくつか紹介しましょう。パニック障害の治療は精神科や神経科・心療内科で行っています。

心療内科・精神科 赤坂クリニック

http://www.fuanclinic.com/akasaka/

保険適用・自立支援医療制度の指定医療機関です。薬物療法を中心とした医師による診察のほか、心理士による認知行動療法のカウンセリングも行っています。

後藤クリニック 心療内科・神経科

http://www.goto-c.com/category/パニック障害/

精神保健指定医の資格を持った医師による適切な治療とアドバイスを受けることができます。初回のカウンセリングに50分以上かけるのも魅力の一つです。

セレーナメンタルクリニック

http://www.serena-cl.jp/

パニック障害外来があるクリニックです。プライバシーに配慮した空間で、患者1人1人に合わせたケアを提供しています。

07. パニック障害の関連書籍紹介

パニック障害の関連書籍をご紹介します。パニック障害で悩んでいる方は参考にしてください。

パニック障害からの快復 こうすれば不安や恐怖は改善できる

http://www.amazon.co.jp/パニック障害からの快復-こうすれば不安や恐怖は改善できる…/4…

パニック障害に長年苦しんだ末に快復した経験から、生活習慣の改善によって回復を目指す7ステップが紹介されています。

7-2.パニック障害とうまくつきあうルール

https://www.amazon.co.jp/パニック障害とうまくつきあうルール…/dp/4479761551

世界中で読まれているパニック障害の処方箋とも言える1冊です。可愛(かわい)らしいイラストとともに、パニック障害を克服するための上手な考え方が紹介されています。

7-3.パニック障害なんてこわくない!

http://www.amazon.co.jp/パニック障害なんてこわくない-ヘヴ・エイズウッド/dp/4479761519

本を読むというよりはマンガを読んでいるような気分になれる1冊。パニック発作や不安な気持ちをコントロールする方法について特筆されています。

08. パニック障害の治療体験ブログ

パニック障害の治療体験ブログをご紹介します。

嫁がパニック障害になりまして

http://cocolo-karuku.com/

妻がパニック障害になり5年。ようやく快復のきざしが見えてきた今、これまでの様子を楽しくつづっています。

パニック こころの日記

http://bonda807.blog35.fc2.com/

パニック障害の完治を目指す筆者が、決してあきらめない日々を送る様子をつづっています。

パニック障害になりました

http://magnolia612.blog.fc2.com/

パニック障害を抱える筆者が、病気と向き合ってのんびり生きている日々をつづったブログです。カウンセリングと減薬に挑戦する様子も必見!

まとめ

いかがでしたでしょうか。パニック障害は、早期に病気と向き合い適切な治療を受けることが大切です。まずは自分の症状を見極め、どのような方法で対処していくべきなのか考えてみましょう。この記事を読めば、その重要さが分かるはずです。

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