IBS(過敏性腸症候群)

過敏性腸症候群(IBS)で悩む人必見!
症状や原因・見分け方を解説!

下痢や便秘を慢性的に繰り返す過敏性腸症候群。別名「IBS」と言い、比較的若い世代に多い疾患です。大事な場面で急におなかが痛くなりトイレに駆け込むのは大変つらいもの。検査しても特に異常が見つからないため、その症状に悩んでいる人は多いと思います。そこで、この記事では過敏性腸症候群の原因や症状・治療方法などを解説しましょう。

この記事を読むことで、症状を改善するきっかけがつかめるはずです。

01. 過敏性腸症候群ってどんな病気?

年々患者数が増えている過敏性腸症候群とは、一体どのような病気なのでしょうか? 主な症状や原因、なりやすい人の特徴などを解説します。

1-1.ストレスが原因で現れる胃腸の異常

過敏性腸症候群とは、検査を行っても異常がないにもかかわらず、腹痛や下痢・便秘などの症状が起こる病気のことです。その原因にはストレスが大きく関係しています。さらには、過敏性腸症候群自体がストレスの原因になり、負の連鎖が起こるケースも多いのです。特に、通勤電車やバス・車・学校・職場など自由の利かない場所では苦しい状況に陥ります。

1-2.症状の現れ方はさまざま

過敏性腸症候群の主な症状は、腹痛もしくは腹部不快感と便通異常です。腹痛は左下腹部に起こることが多くなっています。発作的に起こる「さし込むような痛み」の場合もあれば、持続的に「鈍い痛み」を感じる場合もあるでしょう。また、便意を伴っていることが多く、排便後は一時的に軽快する傾向があります。一般的に、食事によって症状が誘発され、睡眠中は症状がないのが特徴です。
そのほかにも、腹部膨満感や頭痛・疲労感・不安感・集中力の欠如など、消化器以外に症状が現れる場合もあります。

1-3.三つの種類に分けられる

過敏性腸症候群の症状は主に「下痢型」「便秘型」「交代型」の3種類です。「下痢型」は突如として起こる下痢が特徴で、突然おそってくる便意を心配するあまり、外出が困難になります。「便秘型」の症状は、腸管がけいれんを起こすことによる便秘です。水分が奪われた便は固くなり、排便が困難になります。そして、下痢と便秘を交互に繰り返すのが「交代型」です。

1-4.なぜストレスで胃腸異常に?

過敏性腸症候群の原因の一つにストレスがあります。なぜ、脳で感じるストレスが胃腸異常の原因になるのでしょうか? 腸と脳には同じ神経が多く分布し、自律神経でつながっています。脳が不安や精神的圧迫などのストレスを受けると、自律神経を介して胃腸に伝達され、運動異常を引き起こしてしまうのです。また、下痢や便秘などの不調も、自律神経を介して脳にストレスを与えます。つまり、ストレスの悪循環が形成されてしまう、ということです。過敏性腸症候群の場合は特に腸が敏感になっているため、ちょっとしたストレスにも反応してしまいます。

1-5.過敏性腸症候群になりやすいのはこんな人!

過敏性腸症候群にはストレスが大きく関係しているため、性格によってなりやすい人とそうでない人がいます。過敏性腸症候群になりやすいのは、以下のような人です。

  • まじめで完璧主義。
  • 几帳面で神経質。
  • 1人で抱えこみやすい。

このような人は過敏性腸症候群になりやすいため、注意してください。

1-6.患者数は約1200万人

日本における過敏性腸症候群の患者数は約1200万人です。成人の有病率は12.5%で、男女別では女性がやや多いと言われています。特に、20代・30代の若年層に多いのが特徴です。ただし、症状が軽くて過敏性腸症候群を発症していることに気付かずにいる人も多いため、実際にはもっと多いと考えられます。

02. 過敏性腸症候群かどうかチェックしよう!

おなかの調子に不安を抱えている人は、自分が過敏性腸症候群かどうかチェックしてみましょう。

2-1.過敏性腸症候群のセルフチェック方法

まずは、以下の項目でいくつ当てはまるものがあるかチェックしてみてください。

  • 腹痛を伴う下痢が起こる。
  • 便秘がち、または便秘と下痢を繰り返す。
  • コロコロとした固くて小さな便が出る。
  • 腹痛があっても排便後に治まることが多い。
  • 排便後、残便感がある。
  • ガスがたまりやすい。
  • 午前中に腹痛が起こり、午後に回復することが多い。
  • おなかの調子は悪いが食欲は普通にある。
  • すぐにトイレに行けない状況だと、おなかが痛くなる。
  • 睡眠時や休日には症状が出ない。
  • おなかの不調が1か月以上続いている。

以上の中で一つでも当てはまる項目がある場合は、過敏性腸症候群である可能性が高いでしょう。

2-2.ほかの病気である可能性も!

過敏性腸症候群と症状が似ている病気もあります。たとえば、乳糖不耐症がその一つです。牛乳などに含まれる乳糖を分解する酵素が少ないため、そういった食品をとると下痢になってしまいます。また、大腸がんや大腸ポリープも過敏性腸症候群に近い症状が現れる病気です。下痢と便秘と繰り返すことが多いため、早めに医療機関を受診することをおすすめします。もちろん、腸以外の病気である可能性も否定できないでしょう。糖尿病や子宮・甲状腺の病気などでも、同じような症状が現れることがあります。

03. 過敏性腸症候群が日常生活に与える影響

過敏性腸症候群は日常生活にどのような影響を与えるのでしょうか? また、放置するとどうなってしまうのかも解説します。

3-1.時や場所を問わずトイレが近くなる

過敏性腸症候群の一番の悩みは、「時や場所を問わずトイレが近くなる」ということです。電車で通勤や通学をする場合は駅や車内のトイレを利用できます。しかし、バスを利用している場合は降車しない限りトイレに行くことはできません。特に男性は下痢の症状が現れることが多く、常に不安を抱えることになります。また、女性は体質の関係上便秘の症状が出やすく「肌に影響が出るのではないか」と悩む人が多いでしょう。

3-2.症状がさらに悪化する

過敏性腸症候群を放っておくと、症状はさらに悪化するため注意が必要です。下痢や便秘が起こる間隔が短くなり、おなかが痛くなる強度や頻度も増します。

3-3.パニック障害を併発する危険も!

過敏性腸症候群が原因でパニック障害を引き起こすこともあります。過敏性腸症候群は、たまったストレスが原因で身体に異常をきたす病気。この病気と同じように身体に影響を与える病気として、一番に考えられるのがパニック障害です。実際、過敏性腸症候群とパニック障害を併発している人は少なくありません。

04. 過敏性腸症候群の治療法とは?

では、過敏性腸症候群の治療法にはどのようなものがあるのでしょうか? 診断方法や薬の種類などと一緒にご紹介します。

4-1.検査をしてもまったく異常がない

過敏性腸症候群のやっかいなところは「検査をしてもまったく異常がない」ということです。つまり、下痢や便秘の悩みで消化器科を受診した際、検査によって異常が認められない場合に、過敏性腸症候群を疑うことになります。患者さんが訴える自覚症状で診断することになるわけです。その際、診断基準になるのが、世界的に使われている「ローマ基準」というもの。1988年にローマで開催された「第13回国際消化器病学会」で儲けられた基準です。過去3か月間、月に3日以上にわたって腹痛や腹部不快感が繰り返し起こり、次の項目の二つ以上が確認できる場合、過敏性腸症候群と診断されることになります。

  • 排便によって症状が軽減する。
  • 発病したときに排便頻度の変化がある。
  • 発病したときに便形状の変化がある。

4-2.治療方法は主に三つ

現在、過敏性腸症候群の治療は以下の三つの方法で治療できることが分かっています。それぞれの治療方法を見ていきましょう。

4-2-1.食事療法

食事療法では「腸内細菌」を意識した食事をとることを目的としています。過敏性腸症候群の改善には、腸内細菌バランスを整えることが最も有効なのです。わたしたちの腸では、わたしたちにとってプラスに働く「善玉菌」と、マイナスに働く「悪玉菌」が存在しています。この二つは通常バランスを保って暮らしていますが、過敏性腸症候群になると悪玉菌の量が増えてしまうのです。そのため、善玉菌を増やす働きのあるヨーグルトや乳酸菌飲料・オリゴ糖・食物繊維を意識して摂取することをおすすめします。

4-2-2.運動療法

過敏性腸症候群の原因の中で特に大きいのがストレスです。ストレスをためこまないことが、この病気の症状を改善するためには欠かせません。そこで、おすすめなのが運動療法です。ただし、身体に負担をかけるのではなく、ストレス解消や気分転換を意識して行うことが大切となります。ストレッチやウォーキングなど、軽い運動を取り入れてみてください。

4-2-3.薬物療法

下痢や便秘・腹痛などの症状が長く続く場合は、胃腸内科に相談することをおすすめします。その結果、過敏性腸症候群だと判明したら、薬物療法が行われることになるでしょう。腸の働きを整えたり便の固さを改善したりすることを目的として、次のような薬が処方されます。

  • セロトニン3受容体拮抗薬・・・ストレスを感じたときに腸の粘膜から分泌されるセロトニンの働きを抑える薬。
  • 高分子重合体・・・水分を吸収してゲル化することで便の固さを調節する薬。
  • 抗コリン薬・・・腸の異常な運動を抑える薬。
  • 整腸剤・・・腸内細菌のバランスを整える薬。

このほかにも、ストレスが深刻な場合は心療内科を紹介されるケースがあります。その場合「抗不安剤」や「抗うつ薬」などを使うことになるでしょう。

4-3.漢方薬が有効な場合もある!

過敏性腸症候群の治療には、下痢や便秘などに効く漢方薬も効果的です。複数の生薬を組み合わせて作る漢方薬は、症状に対する改善効果だけでなく、自然治癒力を高め、病気の原因を解消する作用があると言われています。過敏性腸症候群で使用される代表的な漢方薬は「半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)」や「真武湯(しんぶとう)」などです。

05. 過敏性腸症候群を予防するポイント

普段からストレスをためこみやすい人は、過敏性腸症候群を予防するためのポイントを知っておきましょう。

5-1.精神的ストレスや生活リズムの乱れを改善する

過敏性腸症候群は精神的ストレスや生活リズムの乱れによって引き起こされることが多いため、そういったものを改善することで予防が可能です。具体的には、以下のようなポイントがあります。

  • 精神的ストレスの原因を取り除く。
  • 食事の時間を規則正しくする。
  • アルコールの摂取を控える。
  • 刺激の強い香辛料などの摂取を控える。
  • 食物繊維を多くとる。
  • 睡眠時間を十分にとる。
  • 軽い運動を取り入れる。

5-2.自律神経訓練法をやってみよう!

自律神経訓練法とは、自己催眠方の治療技法です。ドイツの精神科医シュルツによって創始されました。ストレスの緩和や疲労回復・心身症・神経症などに効果があると言われている訓練法です。やり方は以下のとおり。

静かで快適な温度の場所で行うと効果的です。まず、あお向けかイスに座った状態で、目を閉じてください。1~6を心の中で繰り返し唱え、自己睡眠状態にもっていきます。

  1. 手足が重い。
  2. 手足が暖かい。
  3. 心臓が静かに打っている。
  4. 呼吸が楽になっている。
  5. おなかが暖かい。
  6. 額が涼しい。

このとき、自然に手足が重くなる感じや暖かくなる感じなど、それぞれイメージしながら行うのがポイントです。1回あたり3~5分程度、1日に2~回程度、この訓練を行ってください。

5-3.過敏性腸症候群を予防するために「やってはいけないこと」

過敏性腸症候群を予防するためにやってはいけないことは以下のとおりです。注意してください。

  • 便秘薬を飲む。
  • 早食い・まとめ食いをする。
  • 冷たいものを飲む。
  • 熱すぎるものを食べる。
  • 脂っこいものを食べる。
  • アルコールやカフェイン・炭酸水をとる。
  • イライラする。

06. 過敏性腸症候群の治療を行っている病院の紹介

過敏性腸症候群治療を行っている病院の中で特に代表的な病院を紹介します。ただし、過敏性腸症候群の症状が出た場合、まずは消化器内科へ行き、過敏性腸症候群と診断されてから心療内科を受診するのが妥当です。

国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター IBS外来

http://www.ncnp.go.jp/hospital/guide_s_outpatient/detail12.html

過敏性腸症候群を専門とする消化器内科医および心療内科医による診断・検査・治療を受けることができます。過敏性腸症候群最先端の治療法である認知行動療法の開発をすすめている病院です。

荒川外科肛門科医院

http://www.ara-kou.com/original10.html

実績豊富で人気の高い病院です。女性の医師もいるため、女性の方も安心して過敏性腸症候群の治療を受けることができます。

松島クリニック

http://clinic.matsushima-hp.or.jp/patient_test7.html#ibs

大腸疾患を専門的に対応するクリニックです。近年急増している過敏性腸症候群外来もあり、多くの患者さんが足を運んでいます。

07. 過敏性腸症候群の関連書籍紹介

過敏性腸症候群に関連する書籍をご紹介します。

最新版 過敏症腸症候群の治し方がわかる本

http://www.amazon.co.jp/最新版-過敏性腸症候群の治し方がわかる本…/dp/4391140446

等級病院心療内科医長が過敏性腸症候群という病気についてまとめられた1冊です。最新の薬物療法、心理療法、食事を含めたライフスタイルの改善法などが、多くの症例ケースを紹介しながら説明されています。

IBS克服10のステップ 過敏性腸症候群で悩む人&専門家へ

http://www.amazon.co.jp/IBS克服10のステップ-過敏性腸症候群で悩む人-専門家へ…/479…

認知行動療法に基づいた、自分でできる症例コントロールのための10ステップを紹介。過敏性腸症候群克服のための決定版です!

過敏性腸症候群の認知行動療法 脳腸相関の視点から

http://www.amazon.co.jp/過敏性腸症候群の認知行動療法-脳腸相関の視点から…/479110…

過敏性腸症候群に特化した認知行動療法の第一歩となる1冊です。豊富な症例とともに詳述されています。

08. 過敏性腸症候群の治療体験ブログ

過敏性腸症候群の治療体験ブログをご紹介します。ぜひ治療の参考にご覧ください。

過敏性腸症候群ガス型の専業主婦の奮闘日記

http://ibsshufu.muragon.com/

過敏性腸症候群ガス型を抱える専業主婦が、子育てをしながら病気と奮闘する様子をつづっています。

過敏性腸症候群の高校1年生のブログ

http://ameblo.jp/asumin-gakko

中学1年生で過敏性腸症候群と診断され、3か月間保健室登校を経験した筆者の奮闘ブログです。

過敏性腸症候群、うつが劇的によくなりました

http://blog.livedoor.jp/kabin_sei/

過敏性腸症候群とうつを経験し、克服した筆者のブログです。考え方やおすすめのものなどをどんどん紹介しています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。過敏性腸症候群は決して珍しい病気ではありません。今や多くの人がこの病気を抱え、不安な日々を送っていいます。過敏性腸症候群の正しい情報を知り、自分に合った治療法や改善方法を見つけていきましょう。そのためにも、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

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