逆流性食道癌

逆流性食道炎の症状・原因・治療方法は?
知っておきたい10のポイント

食べ過ぎたわけでもないのに胸やけが起こり酸っぱいものがこみ上げてくる・・・このような症状がある場合、逆流性食道炎の疑いがあります。初期症状が軽いため放っておく人も多いようですが、実は食道ガンを引き起こすこともある恐ろしい病気なのです。そこで、この記事では、逆流性食道炎の症状や治療方法・予防方法など、早期に完治するために知っておきたいポイントを紹介しましょう。

この記事を参考にすることで、逆流性食道炎にならない生活スタイルが身につきます。

01. 逆流性食道炎とはどんな病気?

まず、逆流性食道炎とはどのような病気なのかを知っておきましょう。症状・原因などを紹介します。

1-1.逆流性食道炎になる人が増えている理由

逆流性食道炎の患者数は年々増加しています。欧米食文化が主流になり、日本人の胃に負担がかかっていることがひとつの理由です。また、ストレスによって胃がダメージを受けていることも原因のひとつでしょう。胃の不調で診察を受ける人の15パーセントから20パーセントは逆流性食道炎が原因であるとも言われています。

1-2.逆流性食道炎の主な症状

逆流性食道炎は、胃酸が逆流することで食道の粘膜が炎症を起こす病気です。食道の粘膜に炎症がおきることで胸やけなどの症状が起こります。また、寝てるときに胸やけが起こり睡眠がきちんととれない・食欲が減るなども逆流性食道炎によって生じる症状です。気管支にまで影響して、咳(せき)が出るケースもあります。

1-3.逆流性食道炎の原因

逆流性食道炎の主な原因はストレスです。胃はストレスに敏感に反応します。心配や緊張があると胃が痛く感じるのはそのためです。本来は消化を助けるための胃酸がストレスによって増えすぎてしまい、食道に逆流して炎症が起こります。また、服で胃を締めつけすぎることも胃酸が食道に逆流する原因です。

1-4.どんな人がなりやすいのか

以下のような人は逆流性食道炎になりやすいため注意が必要です。

1-4-1.ストレスをためている人

ストレスがたまりやすい人・休む時間がない人は逆流性食道炎に気をつけましょう。自分ではストレスを感じていなくても、睡眠不足が続き体が悲鳴をあげていることもあります。過労・寝不足には十分に注意してください。

1-4-2.胃に負担がかかっている人

胃への負担も逆流性食道炎を引き起こすため注意が必要です。胃への負担には外的要因と内的要因があります。

内的要因は刺激の強い食べ物やアルコールなどです。胃に負担がかかるものなどの食べすぎには注意しましょう。

外的要因は外からかかる胃への負担です。たとえば、前かがみの姿勢で仕事をすることが多い人は、逆流性食道炎になりやすいというデータがあります。また、ベルトを強く締めすぎることも胃に負担がかかるため厳禁です。

02. 逆流性食道炎のチェック方法

自分が逆流性食道炎かどうか疑っている方のためにチェック方法を紹介します。

2-1.逆流性食道炎のチェックリスト

それでは、逆流性食道炎の自己チェックをしましょう。次の五つの点で心当たりがある状況はありますか?

  1. 胸やけ
  2. おなかのはり
  3. 胸の違和感
  4. 食後の不快感
  5. 食後の胃のもたれ

三つ以上当てはまる症状がある場合は、早めに内科・胃腸科・消化器科を受診しましょう。放っておくと重症になり、さらに深刻な症状や病気につながりかねません。

2-2.逆流性食道炎の病状から考えられるそのほかの病気

胸やけや胃の不快感は別の病気のサインである可能性もあります。たとえば、胃潰瘍(いかいよう)や十二指腸潰瘍(じゅうにしちょうかいよう)・慢性胃炎です。特に、慢性胃炎は胃がんの発生原因ともなるため、放っておいてはいけません。正しい病名を知るためにも、気になる症状が現れたら医師の診察を受けるようにしましょう。

03. 逆流性食道炎の影響

逆流性食道炎によって引き起こされるのは病気そのものの症状だけではありません。どのような影響があるのかを見ていきましょう。

3-1.日常生活への影響

逆流性食道炎は、生活の質を下げる要因となります。たとえば、食欲の低下や睡眠不足・集中力の低下などです。全体的な生活の質が低くなり、疲れがとれない日が続きます。睡眠を十分にとれず食欲が減退すると、体の免疫力が下がり、あらゆる病気を引き起こしかねません。

3-2.逆流性食道炎を放置するとどうなるか

逆流性食道炎を放っておくと、重症化して深刻な症状を招く恐れがあります。そのひとつが、パレット食道です。パレット食道になると、食道に胃酸が何度も逆流し、食道内の粘膜が胃の粘膜のように変化します。これは食道ガンに最もなりやすいプロセスなので危険です。

また、食道が炎症を起こすことによって食道がせまくなり、狭窄(きょうさく)と呼ばれる状態になりやすくなります。狭窄(きょうさく)も、ガンの原因になりかねない危険な状態です。

さらに、食道裂孔ヘルニアという病気を引き起こす恐れもあります。食道裂孔ヘルニアとは、胃の一部がヘルニアとなり食道側に出てしまう状態です。食道裂孔ヘルニアなってしまった場合、外科手術が必要になるケースもあります。

04. 逆流性食道炎の治療方法

病院に行ったほうがいいのはわかっているけど、どのような治療をするのか心配・・・という方もいるでしょう。そこで、治療方法や治療の流れを紹介します。

4-1.診断方法

自分の症状が逆流性食道炎に合致する場合、すぐに病院で検査を受けてください。病院での最初の診断で逆流性食道炎の疑いが強い場合は、すぐに精密検査を行います。精密検査は、一般に「胃カメラ検査」と呼ばれる内視鏡検査をするのが通常です。内視鏡検査で異常が見つからない場合、プロトンポンプ阻害薬で胃酸の分泌を抑え、経過を観察します。また、チューブを鼻から入れて食道の状態を1日観察するpHモニタリングを行う場合もあるでしょう。

4-2.どんな治療法があるのか

逆流性食道炎の治療は、薬による治療が主流です。薬による治療は継続治療が何よりも重要であるため、医師と相談しながらすすめてください。自分で勝手に症状を判断して、薬を増やしたりやめたりしてはいけません。実際、逆流性食道炎が治った人のうち、80パーセント以上の人が逆流性食道炎を再発すると言われています。症状が深刻になった場合や、食道裂孔ヘルニアになった場合には外科手術が必要になる場合もあるため、早期対策と早期治療が大切です。

4-3.薬の種類・副作用

逆流性食道炎の治療では、検査段階でも用いるプロトンポンプ阻害薬やヒスタミン受容体拮抗薬が用いられます。プロトンポンプ阻害薬もヒスタミン受容体拮抗薬も、別のプロセスを経過しながら胃酸の分泌を抑制するのが目的です。副作用は少ないため、長期にわたって処方されることが多くなっています。

とはいえ、体の機能の一部を抑制する薬であるため、まったく副作用がないわけではありません。特に、服用後下痢が続く場合にはすぐに医師に相談してください。ディフィシル菌関連の下痢症状が発症している可能性があります。また、胃酸の抑制はビタミンB12の発生を抑制するため、認知症の症状を悪化する危険がある点も指摘されています。このように、薬の服用は医師と十分相談して行う必要があるため、市販薬を自己診断で使うのはおすすめできません。

4-4.注目の漢方やサプリメント

逆流性食道炎や胃食道逆流症には、漢方を試してみるのもおすすめです。「六君子湯」や「半夏厚朴湯」は逆流性食道炎の治療に用いられています。とはいえ、漢方は体全体のバランスを整えるのが目的です。そのため、自己診断で使用するのではなく、漢方医へまず相談しましょう。特に、逆流性食道炎の場合、食生活や生活のバランスを整えることも大切です。

また、食道の括約筋を補強するにはコリンやレシチンを含むサプリメントがおすすめです。プロトンポンプ阻害薬など胃酸を抑制する薬を服用している場合、ビタミンB12が不足気味になるため、ビタミンB12を含むマルチビタミンを活用するのもよいでしょう。しかし、薬との相性が悪い場合もあるため、必ず医師の指導を受けてから服用してください。

4-5.治療にかかる費用

逆流性食道炎の治療は長期にわたる薬の服用が基本です。そのため、健康保険を用いて3割負担の場合、薬は1週間分で500円から700円ほどで済むでしょう。胃カメラによる検査も、健康保険を用いた3割負担であれば、10,000円以下で済むはずです。もちろん、症状が悪化して、入院が必要なケースもあります。治療費が高くならないためにも、早期診断・早期治療を心がけましょう。

05. 逆流性食道炎の予防方法

逆流性食道炎を未然に防ぐためにも日頃の予防が大切です。気をつけるべき生活習慣について解説します。

5-1.予防のために気をつけたい生活習慣

ストレスは逆流性食道炎の最も大きな原因です。ストレスを軽減するためにも、適度な運動をする・暴飲暴食を避ける・よく睡眠をとるなど、基本的な生活スタイルを守ることを心がけてください。また、寝るときには枕をやや高めにすると、胃酸の逆流を防ぐのに役立ちます。食後にガムをかむことで唾液を増やし、食物の消化を助けることもおすすめです。

5-2.やってはいけないこと

逆流性食道炎は、食道と胃の逆流を防ぐために働く下部食道括約筋がきちんと機能しないことが大きな原因のひとつです。暴飲暴食など、胃に負担がかかることは避けましょう。ただし、食事を抜くのもよくありません。胃がきちんと働くように、バランスのよい食生活を心がけてください。

06. 逆流性食道炎の治療を行っている病院の紹介

逆流性食道炎が疑われる場合には内科・胃腸科・消化器科のいずれかを受診してください。ここでは、逆流性食道炎の治療を行っている病院の中でも代表的な病院を紹介します。

東京慈恵会医科大学病院

東京慈恵会医科大学病院は、逆流性食道炎の専門医がいるおすすめしたい病院のひとつです。この病院では、上部消化管チームが逆流性食道炎の治療を担当しています。東京慈恵会医科大学病院の上部消化管チームには日本内視鏡外科学会が認定する技術認定医が6人在籍しており、重症の逆流性食道炎の手術もたくさんの実績があるため安心です。実際、逆流性食道炎の重症ケースの手術は1年間に全国で200人ほどと言われていますが、そのうち1〜2割の患者は東京慈恵会医科大学病院で手術を受けています。

医療法人社団あんしん会・四谷メディカルキューブ

四谷メディカルキューブも逆流性食道炎の専門医が在籍している病院です。食道裂孔ヘルニアが併発したケースにも外科手術で対応できる技術があります。親切な医療スタッフいることでも有名で、女性専用外来があるのもおすすめしたい点です。

07. 逆流性食道炎の関連書籍紹介

逆流性食道炎についてよく理解するために役立つ書籍をいくつか紹介します。

「胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン2015(改訂第2版)」

http://www.nankodo.co.jp/g/g9784524267781/

この本は、日本消化器病学会が出版している胃食道逆流症の診療ガイドラインです。胃食道逆流症とは逆流性食道炎を含む胸やけや胃液がこみあげる症状のことを指します。逆流性食道炎の書籍としては、最もオフィシャルな本だと言ってもよいでしょう。すべての逆流性食道炎を患う人必見の書籍です。

「胃もたれ・胸やけ」は治せる 機能性ディスペプシア・胃食道逆流症・慢性胃炎 (別冊NHKきょうの健康)

https://www.amazon.co.jp/NHK/dp/4147941699/

NHK『きょうの健康』の機能性ディスペプシア・胃食道逆流症・慢性胃炎特集を書籍化したものです。この本では、胃の調子を整えるために今すぐにできる情報がわかりやすく解説されています。逆流性食道炎を予防するための情報としてもおすすめです。

08. 逆流性食道炎治療体験ブログの紹介

これから治療をされるという場合には実際に治療をされた方のブログも参考になります。

「ドクター江部の糖尿病徒然(つれづれ)日記」

http://koujiebe.blog95.fc2.com/

京都の病院で実際に勤務している医師が書いているブログです。もともと糖尿病の闘病記としてスタートしたブログのようですが、医師としての視点で逆流性食道炎についての貴重な情報も書いてあります。コメントへの回答も参考になる情報が多く必見です。

「たけぼうの逆食改善日記」

http://life-thinker.net/

20年ものあいだ逆流性食道炎を体験してきたブログ管理人が、食べてよいものとだめなものなど、自身の経験から具体的な情報を提供しているブログです。改善のために役立つ運動や生活改善のアドバイスなど役立つ情報がたくさん載っています。

09. 逆流性食道炎についてよくある質問

Q.「胸やけ」とはどんな症状ですか?

胸やけは、胃もたれとは違います。胸のあたりにチリチリと痛みを感じる、不快に感じるなどが主な症状です。また、みぞおちあたりに痛みを感じるのも、胸やけの一種でしょう。胸やけは、多くの場合、胃酸の逆流が原因です。

Q.ピロリ菌がいると逆流性食道炎になりやすいのですか?

ピロリ菌は胃の粘膜に住みつく菌であり、正式にはへリコバクター・ピロリ菌と呼びます。ピロリ菌は胃酸の分泌を低下させるため、むしろ逆流性食道炎にはなりにくいでしょう。逆に、ピロリ菌を除菌治療薬で除去したために逆流性食道炎になったケースもあります。いずれにしても、医師と相談しながら治療をすすめてください。

Q.食べないほうがよいものはありますか?

胃酸の分泌を増やす食べ物、また食道の粘膜を刺激する食べ物は避けるのがよいでしょう。胃酸の分泌を増やす食べ物には、脂の多い食事・チョコレート・アルコール飲料などがあります。また、食道の粘膜を刺激する食品は、甘すぎる食べ物・からすぎる食べ物・酢のもの・アルコール飲料などです。特にアルコールの制限は症状改善に大いに役立つと言われています。

Q.薬はどのくらいの期間服用しますか?

一般的には8週間が目安です。また、8週間で症状が改善したあとには、「オンデマンド療法」と呼ばれる自己判断で薬の量を調整する服用方法をすすめられるケースもあります。症状によって服用期間は違うため、医師の指示に従ってください。

Q.食べ物が飲み込みにくい場合、逆流性食道炎と関係がありますか?

逆流性食道炎の症状が悪化すると、食道が炎症によってせまくなる「狭窄(きょうさく)」という状況になります。食べ物が飲み込みにくい場合、狭窄(きょうさく)の可能性があるでしょう。また、炎症が悪化すると食道静脈瘤や食道ガンにつながる恐れがあるため、早めに医師の診断を受けてください。

10. お役立ちサイト紹介

「胸やけ・呑酸(どんさん).jp」

http://www.muneyake-donsan.jp/

第一三共株式会社が提供するこのウェブサイトでは、逆流性食道炎の詳細情報がわかりやすく提供されています。特に「お医者さん相談シート」は、医師に伝えるときにもれることなく情報を伝えるのに使える便利なシートです。ユーザーからの投稿の場もあり、情報交換もできます。ぜひ活用してみましょう。

Medical Note

https://medicalnote.jp/

株式会社メディカルノートが提供し、医師をはじめとする医療関係者が医療情報を提供するウェブサイトです。逆流性食道炎をはじめ、各病気や症状に関して特集記事が組まれています。専門医のコメントや手術方法も詳しく掲載。対応できる病院や専門医を探す機能があり便利です。

まとめ

いかがでしたか? 逆流性食道炎は食道ガンや食道裂孔ヘルニアにもつながる危険な病気です。何よりも大切なのは、毎日の生活スタイルをきちんと整えることです。暴飲暴食を避け、質のよい睡眠を心がけてください。この記事を参考にして、健康な胃と体で毎日の生活を楽しみましょう。

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