帝王切開

帝王切開の心構え!
費用や術後の過ごし方・傷跡のケア方法は?

帝王切開は母子どちらかに何らかの問題がある場合に選択できる出産方法です。今や5人に1人は帝王切開の出産となっており、母子ともに安全に出産できる体制が整っています。しかし、帝王切開での出産を控えている人にとって、不安は大きいでしょう。費用はどのくらいかかるのか・リスクはあるのか、痛みはどの程度なのかなど、事前に知っておくことが必要です。この記事では、帝王切開のメリットや流れ・術後の影響などについてまとめてご紹介します。

正しい情報を知って帝王切開の不安を減らしましょう!

01. 帝王切開とは?

帝王切開とは、具体的にどのような場合に行う出産方法なのでしょうか。詳しくご紹介します。

1-1.自然分娩が難しい場合の選択肢

帝王切開とは、お母さんか赤ちゃんのどちらかに問題が生じ、自然分娩が難しいと判断された場合に選択される出産方法です。具体的には、お母さんの腹部と子宮を切開して、赤ちゃんを直接取り出します。
帝王切開による出産は、過去20年で約2倍に増えているのです。その理由には、赤ちゃんの安全を重視するようになったこと、医療技術の進歩により安全な手術が可能になったことが挙げられます。

1-2.帝王切開になるケースは2種類

帝王切開の種類には、以下の二つがあります。

1-2-1.予定帝王切開

超音波などの検査方法が進歩したことにより、おなかの中にいる赤ちゃんの様子やお母さんの健康状態が詳しくわかるようになりました。通常は36~37週の健診結果をもとに自然分娩が難しいと判断されると、帝王切開を選択することになるでしょう。たとえば、逆子や多胎妊娠・前置胎盤などの場合、帝王切開となります。

1-2-2.緊急帝王切開

赤ちゃんあるいはお母さんの体に何らかの問題が起き、急いで赤ちゃんを取り出す必要がある場合には、緊急帝王切開が行われます。お産の途中や出産直前に手術が決まり、お母さんや家族の同意を得て手術を行うことになるでしょう。緊急帝王切開が行われる主なケースには、胎児機能不全や常位胎盤早期剥離・回旋異常などがあります。

1-3.帝王切開の手術方法

手術の流れとしては、まず切開の痛みをやわらげるために麻酔を打ちます。麻酔薬や麻酔方法については、母体の状況に合わせたものを選択することになるでしょう。帝王切開の切開方法には「縦切り」と「横切り」の2とおりがあります。緊急帝王切開の場合は、手術時間が短く、赤ちゃんを早く安全に取り出すことができるように「縦切り」を選択するのが通常です。
切開してから赤ちゃんを取り上げるまではほんの数分。赤ちゃんを取り出した後は、胎盤などを取り出して子宮内をきれいにします。そして、溶ける糸などを使って縫合して終了です。

02. 帝王切開にはどんなメリットがあるの?

帝王切開は手術であるため「怖い」というイメージを持つ人が多いでしょう。しかし、自然分娩に比べてメリットもあるのです。

2-1.手術予定日を決めることができる!

予定帝王切開の場合は、手術予定日を決めることができます。あまり分娩予定日に近くしてしまうと陣痛や破水が起きて緊急帝王切開になってしまうリスクがあるでしょう。そのため、分娩予定日の2週間ほど前に設定することが多くなっています。妊婦さんの心構えができるだけでなく、家族が集まることができる日に設定したり、赤ちゃんの誕生日を選ぶことができたりと、メリットも大きいのです。

2-2.出産時の痛みが少ない!

予定帝王切開では陣痛が起こる前に手術を行うため、陣痛による痛みを感じることがありません。もちろん、麻酔時や術後の痛みは避けることができないでしょう。
しかし、自然分娩のようにいつまで続くかわからない陣痛の痛みに耐える必要はないのです。

2-3.赤ちゃんの頭の形がよい?

「帝王切開で生まれた赤ちゃんは頭の形がよい」と言われています。狭い産道をとおらないためでしょう。ただし、事実かどうかは分かりません。

03. 帝王切開によるリスクとは?

帝王切開には、当然リスクが伴うのも事実です。母体や赤ちゃんに危険が及ぶことはあるのでしょうか。

3-1.赤ちゃんに後遺症の心配はない

帝王切開をする場合、第一に赤ちゃんへのリスクが気になると頃です。通常、帝王切開で赤ちゃんに危険が及ぶことはまずありません。ただし、ごくまれに、羊水が肺に残ったままになる「新生児一過性多呼吸」という症状が現れることがあります。しかし、症状自体が軽ければ3日もすれば自然と治るため、後遺症の心配はほとんどありません。

3-2.母体にはいくつかのリスクが…

赤ちゃんに対してのリスクはほとんどありませんが、母体にはいくつかリスクを伴うことがあります。たとえば、傷口部分の子宮の壁が薄くなるため、次回以降の出産で自然分娩をすると子宮破裂の恐れがある、ということ。また、傷の治りが遅い・術後の痛みが激しいなどの可能性もあります。さらに、次回妊娠時には前置胎盤や癒着胎盤になりやすいとも言われているのです。帝王切開は手術の一つであるため、自然分娩のお母さんたちに比べて自由に動くことができず、入院による寝たきり状態が続きます。血行が悪くなって血管が詰まる「肺血栓塞栓症」を起こしやすくなるというリスクもあるでしょう。

04. 入院から退院までの流れを知ろう

帝王切開の場合、入院から退院までの流れはどうなっているのでしょうか。

4-1.入院~手術前

入院初日は、入院に際しての注意事項や手術の説明が行われます。血圧や体重を測定し、問診によってお母さんや赤ちゃんの健康状態を確認することになるでしょう。また、超音波検査などで赤ちゃんの位置を確認します。

4-2.術後~退院まで

手術が終わると、回復室に移ることになります。麻酔が切れてくると傷口の痛みが増したり、子宮が収縮して後陣痛を感じたりするでしょう。

4-2-1.術後1~2日目

術後1~2日目は、傷の回復経過を見ながら過ごしていきます。経過に異常がなければ、術後2日目には点滴が外れ、おかゆなどの流動食から普通食へと移行していくでしょう。

4-2-2.術後3~5日目

切開後の傷口にある糸やステープラーなどが外れ、入浴することが可能になります。この頃には食事も完全に普通食になっており、自然分娩の人と同じように生活することができるでしょう。

4-2-3.術後6日目~退院

体が順調に回復しているようなら、赤ちゃんのお世話を本格的に開始します。授乳や沐浴(もくよく)など、無理のない程度に始めていきましょう。その後、診察で母子ともに異常がなければ、無事退院となります。入院から退院までの平均的な期間は、8~12日ほどでしょう。

05. 手術の影響にはどんなものがある?

帝王切開で出産を行うと、体にどのような影響があるのでしょうか。

5-1.麻酔・術中・術後の痛みはどのくらい?

陣痛の痛みはないものの、帝王切開にはさまざまな痛みが伴います。まず、下半身への局部麻酔です。腰のあたりにやや長い針を刺して薬を注入します。この麻酔が非常に痛かったという人もたくさんいるのです。局部麻酔をすると、胸から足の先まで痛みを感じなくなります。そのため、手術中の痛みはほとんどありません。ただし、体質によっては麻酔が効きにくく、多少の痛みを感じることもあるのです。問題は、術後の痛みです。麻酔が切れた頃に傷の痛みをジンジンと感じ、熱が出る人もいます。また、子宮の収縮によって起こる後陣痛の痛みは、帝王切開も自然分娩も同じです。3日目くらいから動くことができるようになりますが、おなかに力を入れるのは難しいでしょう。

5-2.傷跡の目立ち方は人によって違う

帝王切開でできた傷跡の目立ち方は、おなかの切り方によっても違います。縦切りは胎児娩出までの時間が短く、医師の視野が大きくとりやすいというのがメリットです。しかし、傷跡は目立ちやすくなってしまいます。横切りの方が目立ちにくいでしょう。また、人によっては傷口の皮膚が赤く盛り上がることもあります。どのくらい傷跡が残るかは、体質による違いも大きいのです。

5-3.自然分娩より産後のむくみがひどくなる

むくみとは、体内の血液循環や水分バランス、組織液の代謝が滞った状態です。帝王切開は安静にしている時間が長いため、足の筋肉が衰えがち。下から上に血液を上げているポンプ機能が働かず、むくみやすくなります。また、点滴による必要以上の水分も、代謝が低下する原因になるでしょう。産後は母乳を出すという前提で、水分をためこみやすいようになっています。そこに、帝王切開後のさまざまな影響が加わり、さらにひどいむくみになってしまうのです。

06. 手術後の過ごし方と注意点

帝王切開の手術後はどのように過ごすとよいのでしょうか。注意点とともにご紹介します。

6-1.回復を早める過ごし方とは?

術後はなるべく早く動き始めることで子宮の回復を早めることにつながります。実際に、産後7時間もすれば麻酔が切れてくるため、体を動かすように医師に指導されるでしょう。歩くなどして体を動かすことで全身の血がめぐりやすくなります。血栓症を予防したり子宮収縮を促進したりするために必要なことなのです。もちろん、ハードに体を使う行為はNG。つまり、産後の回復力を高めるポイントは「安静にしつつ、程よく体を動かす」ということなのです。

6-2.傷跡のケアをしよう!

帝王切開で出産した女性の多くが、傷跡を気にしています。なるべく傷跡が目立たなくなるように、早いうちからケアをしておきましょう。傷跡ケアのポイントは以下の四つです。

  • 広がらないようにする。
  • 乾燥しないようにする。
  • 清潔にする。
  • 紫外線対策をする。

傷跡を固定するためにテーピングを使用したり、炎症を抑えるための保湿剤を塗布したりする方法もおすすめです。

07. 帝王切開の出産費用

では、気になる帝王切開での出産費用はどうなっているのでしょうか。

7-1.帝王切開にかかる費用は?

帝王切開手術の費用は、地域や医療機関にかかわらず22万1,600円です。この金額のうち、3割が妊産婦の自己負担額となり、費用に加算されます。また、自然分娩の入院日が出産後で4~5日となるのに比べ、帝王切開は平均で8~12日になり、その分入院費がかさんでしまうのです。入院費が1日約1万円としても、帝王切開の場合は10日分で10万円ということになります。そのほかにも、おなかの傷対策として術後用腹帯やケロイド予防のシリコン・ジェルシートなど、自然分娩のときには必要のないものの購入費もかかるでしょう。

7-2.帝王切開は国民健康保険の補助対象になる

帝王切開は自然分娩とは違い、国民健康保険の補助対象になります。また、民間の医療保険からも給付金が出るのです。そのため、医療保険に加入している場合には、出産費が黒字になることもあるでしょう。

7-3.高額療養費制度・高額医療費控除を活用しよう

帝王切開には健康保険が適用されるため、高額療養費の給付対象になります。高額療養費とは、健康保険が適用される3割負担で算出された治療費が、自己負担限度額を超えた場合に支給される医療費のことです。自己負担上限額を超えた部分については、約3か月後に還付されます。また、高額医療費控除を活用する方法もあるでしょう。医療費控除とは、1年間で一世帯の医療費の支払いが10万円以上になった場合、確定申告で申告するとお金が戻ってくることです。妊婦健診や通院するための交通費なども控除の対象になるため、しっかりと確定申告することをおすすめします。

08. 病院を選ぶときのポイント

帝王切開での出産が決まっているなら、なおさら病院選びには慎重になる必要があるでしょう。病院を選ぶときのポイントは以下のとおりです。

  • 自宅から近い場所にあり、交通手段が充実している。
  • 緊急時のために、産科医が365日・24時間いつでも対応してくれる。
  • 定期健診やそのほかの診察が、休日や夜間でもできる。
  • マタニティー教室がある。
  • 産婦人科医と小児科医のしっかりとした連携ができている。
  • 緊急時のために、設備の充実した医療機関との連携がしっかりしている。

09. 出産に関する書籍の紹介

帝王切開での出産に関する書籍をご紹介します。

ママのための帝王切開の本-産前・産後のすべてがわかる安心ガイド

http://www.amazon.co.jp/ママのための帝王切開の本-産前・産後のすべてがわかる安心ガイド/dp/4805838655

入院から退院までの流れ・手術までの平均的なスケジュール・傷の回復の目安など、帝王切開に関するあらゆる情報がまとめられています。

お産の時間です。-帝王切開と自然分娩どこまで知っていますか?

http://www.amazon.co.jp/お産の時間です。-帝王切開と自然分娩どこまで知っていますか?/dp/4797483768

帝王切開になっても不安にならないように、そのメリットとデメリットがまとめられた1冊です。

10. 帝王切開経験ブログの紹介

帝王切開を経験したことのある人たちがつづったブログをご紹介します。

4回帝王切開経験の主婦~ありのままの子育て日記

http://yoninnokosodatemama.com/

4回の帝王切開を経て無事出産し、現在子育てに奮闘中のママによってつづられたブログです。帝王切開による出産経験談ももりだくさん!

まい2度目の帝王切開の記録

http://ameblo.jp/narinari1006/

6年ぶりの妊娠と帝王切開による出産のことがつづられたブログ。手術当日の帝王切開レポも必見です!

まとめ

いかがでした? 帝王切開による出産を控えている方にとって不安は大きいものだと思います。帝王切開は術後の回復にも時間がかかり、自然分娩に比べて大変なことも多いでしょう。少しでも不安を減らすために、この記事を読んで帝王切開について詳しく知っておいてください。

そのカテゴリーで訪れる価値のある場所
遠回りしてでも訪れる価値のある場所
そのために旅行する価値のある場所