低血糖

低血糖症が不安な方必見!
症状や原因・予防・セルフチェック法とは?

健康な人にも起こり得る低血糖症。特に、血糖コントロールが自然にできない糖尿病では「付きもの」とも言える症状で、放置すれば命にもかかわります。しかし、すぐに対処すれば症状は改善するため、決して恐ろしい病気ではありません。この記事では、低血糖症の原因や症状・対処法などをまとめて解説しましょう。

低血糖症を起こさないために、日ごろから何に注意すべきなのか知ってください。

01. 低血糖症ってどんな病気?

まずは、低血糖症についてご紹介します。主な症状や原因・なりやすい人の特徴をまとめてみました。

1-1.血糖値が低い方に傾くことで現れる

低血糖症とは血糖値が正常な変動幅を超えて低い方に傾くことで現れる症状です。血糖値が下がるとインスリン分泌量が減り、一方で血糖を上げるためのホルモンが分泌されます。しかし、食事などで糖分の補給がうまくできず急に血糖が下がり過ぎると、この調節がうまくいかなくなってしまうのです。低血糖症の症状は、これ以上血糖が下がると中枢神経の機能が低下して危険だということを知らせるサインでもあります。

1-2.症状の現れ方はさまざま

症状の現れ方にはいくつか種類があります。症状の現れ方を決めるのが、血糖値の下がり方です。血糖値が急激に下がるときは自律神経症状が強く、血糖値が緩やかに下がるときは中枢神経症状が強く出る傾向にあります。中枢神経症状として現れるのが、意識の混乱や集中力の散漫・眠気・発語困難・頭痛・けいれん・昏睡などです。一方の自律神経症状は、空腹や発汗・震え・不安・動悸などがあります。

1-3.低血糖症を引き起こす要因とは?

低血糖症を引き起こしやすいのはどのようなときなのでしょうか。その要因をご紹介します。

1-3-1.不適切な食事摂取

食事を抜く、食事の量が少ないときなどに、低血糖症を引き起こしやすくなります。下痢や嘔吐などで食事が十分摂取できないなども低血糖症の要因です。また、速効型・超速効型・混合型インスリン注射を打った後などにすぐ食事がとれなかったときにも、低血糖症を起こしやすくなります。

1-3-2.多過ぎる運動量

激しい運動や労働量の増加も低血糖症を起こす原因です。通常、運動や労働をしているときは、肝臓と筋肉に蓄えたグリコーゲンを消費して血糖値を一定に保っています。しかし、体内に蓄えらるグリコーゲンの量は1日何も食べなければなくなってしまうほどわずかなものです。そのため、運動の条件とそのときの血糖値によっては血糖値を維持できずに低血糖症となってしまいます。

1-3-3.アルコール過多

アルコールも血糖値を下げる要因となります。アルコールには、遅延インスリンを増強するだけでなく、血糖値を上げるアドレナリンやグルカゴン・成長ホルモンの分泌を阻害する働きがあるのです。特に、食事をとらずに飲酒をしている場合は低血糖症のリスクが高くなります。

1-3-4.インスリン注射・経口糖尿病治療薬

インスリン注射によって血糖値が下がり過ぎることで低血糖症が起こることもあります。インスリンそのものの量以外に、血糖値が低い時間帯での投与などが原因です。場合によっては、意識がなくなる・けいれんを起こすなどの症状が出るため、すぐに医師の診断が必要になります。

1-4.こんな人は要注意!

低血糖症になりやすい体質には、以下のようなものがあります。

  • 貧血体質
  • アレルギー体質
  • 先天的糖尿病体質
  • 下垂症・胃酸過多症
  • 自律神経失調症
  • 甲状腺機能障害

02. 低血糖症の初期症状をチェックしよう!

低血糖症は、早めに対処することで症状が改善できます。そのためにも、初期症状を見極めることが大切です。

2-1.セルフチェック方法

低血糖症は症状の現れ方が多岐にわたるため、別の病気と間違えやすいことも多いのです。「この症状は低血糖症なのか?」と疑わしい人は、まずセルフチェックをしてみましょう。以下の項目でいくつ当てはまるものがあるかチェックしてみてください。

  • 甘いもの・スナック菓子・清涼飲料水をほぼ毎日とる。
  • 空腹感が強く、おやつを食べることが多い。
  • 夜中に目が覚めて、何かを食べることがある。
  • 夕方に強い眠気を感じたり集中力が落ちたりする。
  • 体重の増減が激しい。
  • 体重が増えてきた。またはやせにくくなった。
  • 甘いものをとることでイライラや不安感がなくなったことがある。
  • 甘いものをとることで頭痛や動悸・しびれなどがよくなったことがある。
  • 気分安定薬や抗うつ薬を服用しても明らかな症状の改善がない。
  • 血縁者に糖尿病の人がいる。

上記の項目で三つ以上当てはまるものがあった場合、低血糖症である可能性が高いでしょう。

2-2.精神疾患と間違われやすい

低血糖症は、自律神経失調症などの精神疾患に誤診されやすいのが特徴です。低血糖症になると、低血糖状態から体を守ろうとする働きが関係して動悸やイライラ・不安感・めまいなどの自律神経症状が現れやすくなります。そのため、精神疾患と誤診され、抗うつ薬や精神安定剤を服用している人も多いのです。しかし、実際には血糖値の異常が原因のため、根本的な解消はできません。いつまでも薬の使用をやめることができず、かえって不健康な状態が長引いてしまうこともあるのです。

03. 低血糖症の影響は?

低血糖症を放置しておくとどのような影響を及ぼすことになるのでしょうか?

3-1.日常生活への影響は?

低血糖症に気づかずにいると、慢性的な体調不良により日常生活にもさまざまな影響をきたすことになります。「年齢のせいだろう」「精神的に疲れているのか?」などと、その疲れやだるさを軽く見てはいけません。こうした症状は、低血糖症が原因である可能性があるのです。また、現代の子供たちは甘い食べものや飲みものに囲まれ、日常的に砂糖を摂取しています。だるさや眠気・集中力や記憶力の低下などの問題を抱えている子も多いでしょう。低血糖症により脳が機能低下を起こし、多動性障害などと間違われてしまうケースも少なくありません。こうした症状は社会生活や学校生活だけでなく、人生においても大きな影響を及ぼすことになります。

3-2.「無自覚低血糖」を覚えておこう!

無自覚低血糖とは、低血糖が起きていることに気づかない状態を言います。前ぶれとなる症状がないため、低血糖症の発見が遅れてしまうのです。低血糖は発見が遅れると「低血糖性昏睡」などに至ることがあるため、注意が必要になります。では、なぜ無自覚低血糖が起こるのか解説しましょう。

低血糖症を何度か繰り返すと、低血糖を感知するセンサーの動きが鈍くなります。そのため、血糖値がかなり低くなることで初めて症状が現れるのです。無自覚低血糖は、運転中や作業中に起こると事故の原因になることもあります。そのため、無自覚低血糖の患者さんは、運転免許交付について拒否や取り消し・保留などの対応をとることも多いようです。

04. 低血糖症の治療方法を紹介

低血糖症の治療はどのように行われるのでしょうか? 診断方法や薬の種類についてもご紹介します。

4-1.血糖を測定して診断する

低血糖の診断を行う際は、まず血糖を測定します。できるだけ低血糖を起こしたとき、またはその直後に測定するのが望ましいでしょう。また、75gブドウ糖負荷試験・インスリン負荷試験なども行うと同時に、インスリン拮抗ホルモンも測定します。

4-2.どのような治療法があるのか?

低血糖症の治療法は、ブドウ糖の静脈注射やグルカゴンの筋肉注射もしくは皮下注射が中心です。ただし、低血糖症の原因がインスリノーマやインスリン自己免疫症候群の場合は治療法も異なります。インスリノーマの治療としては腫瘍の切除、インスリン自己免疫症候群の治療としては分割食が行われます。分割食とは、1日の食事を6回に分けて摂取する方法です。

4-3.サプリメントも有効!

低血糖症の改善には、サプリメントが有効な場合もあります。実際にサプリメントの処方を行っている病院も少なくありません。低血糖症の人にとって特に必要な栄養素は、ビタミンB群とビタミンCです。こういった栄養素が豊富に含まれているサプリメントを有効活用しましょう。

05. 低血糖症を予防する三つのポイント

普段から低血糖症を予防するためには、どのようなことに注意する必要があるのでしょうか?

5-1.低血糖を防ぐ食べもの・飲みものを知っておく

血糖値が上がりやすいかどうかを示すものを「GI数値」と言います。このGI数値の低いものを食べることで、低血糖症を予防することができるでしょう。代表的なものには、肉や魚介類・卵・大豆製品・野菜・海藻・きのこ・くだもの・ナッツなどがあります。カフェインを含んだものは摂取し過ぎると血糖値の上下動を乱す原因になるため、避けるようにしましょう。

5-2.アルコールの過剰摂取を控える

アルコールの過剰摂取を控えることも大切です。アルコールを摂取すると、肝臓でアルコールを分解するエタノール代謝が優先されます。しかし、エタノール代謝は体内の糖を大量に消費してしまうのです。そのため、アルコールを摂取すると低血糖になりやすくなります。

5-3.外出時も対策を!

低血糖症で最も怖いのが、運転中の発症です。運転中に低血糖状態になると、大きな事故につながる可能性があります。低血糖を自覚している人は空腹時の運転を避け、車内で糖の摂取ができる環境を整えておきましょう。また、旅行などで遠方に出かける場合も、いつでも摂取できるように糖分を携帯し、発症に備えることが大切です。

06. 低血糖症の治療を行っている病院の紹介

低血糖症の治療を行っている病院をご紹介します。

新宿溝口クリニック

http://www.shinjuku-clinic.jp/

機能性低血糖症治療の第一人者である溝口徹医師の病院です。低血糖症を診断するための血液検査と5時間糖負荷検査を受けることができます。

内科・小児科 マリヤ・クリニック

mariyaclinic.com/

低血糖症治療で有名な柏崎良子医師が院長を務める病院です。栄養指導とサプリメントによる治療を主に行っています。

クリニック・ハイジーア

http://www.clinic-hygeia.jp/

婦人疾患などを栄養医学の観点から治療している病院です。予約制で無料医療相談も行っています。

07. 低血糖の関連書籍紹介

低血糖にかんする書籍をご紹介します。

なぜあなたは食べすぎてしまうのか-低血糖症という病

http://www.amazon.co.jp/なぜあなたは食べすぎてしまうのか―低血糖症という病…/448780…

筆者はクリニック・ハイジーア院長である矢崎智子医師。低血糖症の仕組みや症状、症例、診断と治療法などがまとめられた1冊です。低血糖症のためのレシピ集も掲載されています。

心の病と低血糖症-危ない!砂糖のとりすぎと米ばなれ

http://www.amazon.co.jp/心の病と低血糖症―危ない-砂糖のとりすぎと米ばなれ…/447603…

心の病の原因となる低血糖症について、症例を用いて分かりやすく説明されています。現代の食生活が体と心にどんな状態を引き起こすのか? その実態がまとめられた1冊です。

心療内科に行く前に食事を変えなさい

http://www.amazon.co.jp/心療内科に行く前に食事を変えなさい-姫野-友美/…/4413037669

栄養療法の視点から心の病を治していく方法が紹介されています。自分に足りない脳の栄養素をチェックできるでしょう。

08. よくある質問

低血糖症に悩む人たちが感じるであろう疑問とその回答を「よくある質問」としてまとめてみました。

Q.低血糖症に気づいたときはどうすればよいですか?

A.まずは、甘いものを摂取してみてください。この方法で症状がよくなるなら低血糖である可能性が高いでしょう。再度症状が出たら、近くの医療機関で血糖値を測定してもらうことをおすすめします。

Q.ストレスも低血糖症の原因になりますか?

A.ストレスは血糖調節にかかわる副腎を疲労した状態にします。そのため、血糖コントロールがうまくできなくなり、低血糖症を引き起こる可能性が高いでしょう。低血糖症になりやすい人は、普段からストレスをためこまないように心がける必要があります。

Q.子供がキレやすいのは低血糖症のせいでしょうか?

A.最近の子供がキレやすくなっているのは、食生活に根本的な原因があるとも言われています。低血糖状態は生命にとって危機的な状況であり、体は副腎からアドレナリンというホルモンを放出して、血糖値を上げようとするのです。このアドレナリンは「攻撃ホルモン」とも呼ばれ、イライラしたり怒りっぽくなったりします。きちんとご飯を食べずに甘いお菓子ばかり食べている子供がキレやすくなるのは、このことにも関係があるのではないかと言われているのです。

Q.低血糖症がうつ病の原因になることもありますか?

A.低血糖症はうつ病とも深く関係しています。血糖値が乱れると脳に送られるグルコースも安定しないため、精神状態も乱れてくるのです。また、低血糖を回復して体温維持に働きかけるホルモンは、精神状態の回復にも関係しています。そのホルモンが出てくることによって、精神状態乱れてうつ病が悪化してしまうこともあるでしょう。

Q.家族が低血糖によって意識障害を起こしたときはどう対処すればよいですか?

A.意識障害を起こしている場合、食べものを口から摂取することができません。この場合は、ブドウ糖や砂糖を唇や歯茎に塗り、すぐ医療機関に連絡をしてください。また、1型糖尿病の患者さんで、グルカゴン注射薬を処方されている場合は、すぐに注射をしましょう。

まとめ

いかがでしたか? 低血糖症について、その原因や症状・治療方法などを解説しました。低血糖症は早期に対処すればすぐに症状が改善する病気です。しかし、対処が遅れると深刻な状況を引き起こしてしまうケースもあります。まずは低血糖症であることを自覚し、いざというときにどう対処すべきなのか、また、予防するためにはどうしたらよいのかを知ってください。

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